数次相続(一人っ子家庭)における相続税申告の注意点

2023.05.25  [Thu]

大阪市都島区に事務所を構える、相続税と国際税務に強い村田綜合税務会計事務所です。
今回は、一人っ子家庭における、数次相続(すうじそうぞく)が発生した場合の相続税の留意点を取り上げます。

1. 数次相続とは

被相続人(財産を遺して亡くなった方)が死亡した後、遺産分割協議をしないうちに相続人が死亡して次の相続が開始された状況を数次相続といいます。例えば、父が亡くなり(「一次相続」といいます)遺産分割協議をしないうちに、父の妻である母が亡くなった(「二次相続」といいます)場合など、一次、二次と相続が2回以上続いて発生しているため数次相続といいます。

2. 数次相続が発生した場合の一次相続の対応(子が複数いる場合)

①一次相続の遺産分割協議

1の例の場合、母は「父の遺産を相続する地位」を有していました。この地位は、母の相続人(子)が承継することになり、子が、母に代わって一次相続の遺産分割協議を進めることになります。
つまり、一次相続の遺産分割協議に、二次相続の相続人も参加することになるため、子同士で母の相続分も含めて、遺産分割を行うこととなります

②各種特例の活用

相続税には、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった相続税を低く抑えることの出来る特例があります。
これらの要件は遺産分割が行われていることが要件であるところ、このケースですと、子同士で母の相続分も含めた遺産分割が完了していれば、適用を受けることが出来ます(遺産分割以外の要件をクリアしていると仮定)。

3. 数次相続が発生した場合の一次相続の対応(一人っ子の場合)

これまで述べてきたものは、二次相続の相続人が複数いるご家庭の場合です。
では、二次相続が発生した場合の相続人が1人(いわゆる一人っ子家庭)のケースではどうでしょうか?

①一次相続の遺産分割協議

一人っ子の場合、もちろん子1人では、一次相続の分割協議ができませんので、父の残した財産のうち、母は法定相続の1/2を相続しなければなりません

②各種特例の活用

一人っ子の場合の「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった特例の適用は注意が必要です。
母と子で一次相続の遺産分割協議を行う前に母が亡くなってしまうと、「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」が適用できなくなる可能性があります。本来配偶者であれば、ほぼ無条件でこの2つの特例を適用できるのですが、分割協議がまとまっていない場合には、適用できない場合がありますので注意が必要です。

では、万が一、一人っ子家庭で、父の遺産分割を行う前に母が亡くなってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?

遺産分割は、分割協議書を作っていないといけないと思われている方も多いと思いますが、分割協議は口頭でも認められます。ですので、分割協議書が準備出来ていない状態であったとしても、生前にきちんと約束ができていれば問題ありません。
この対応が出来ているかどうかで、相続税が数百~数千万は変わる場合がありますので、税理士を選ぶ場合は、相続税の経験が豊富な税理士を選ぶことが必要です。

もし、相続税についてのご相談がある場合は、お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

お問い合わせはこちら