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日本居住の外国人が外国株式を譲渡した場合の課税について
大阪市都島区で、相続・国際税務を専門とする村田綜合税務会計事務所です。
今回は、お問い合わせを受けることの多い、日本に居住する外国籍の方が外国株式を売却した場合の取扱いについてご紹介します。
1. 所得税法における取扱い
納税者区分 | 外国株式の株式譲渡 |
永住者 | 申告分離課税 |
非永住者 |
・平成28年12月31日までは、国内において支払われたもの及び国外から送金されたもの以外は非課税 ・平成29年1月1日~平成29年3月31日までは課税 ・平成29年4月1日以降は、外国金融市場において譲渡されたものなどは非課税。国内において支払われたもの及び国外から送金されたものは課税。ただし、平成29年4月1日以降取得したもので、過去10年以内において非永住者であった期間に取得したものは課税 |
非居住者 | 非課税 |
2. 租税条約における取扱い
1については、国内法である所得税法の他に、租税条約における取扱いを確認する必要があります。その上で、所得税法と異なる定めが租税条約にある場合は、租税条約の規定が優先されることになります(所法162)。
この場合において、例えば米国籍の日本居住者が、米国証券会社にて株式を売却した場合、日米租税条約の確認が必要となります。
日米租税条約13条では、不動産や一定の株式、船舶、コンテナーといった財産以外の譲渡は、全て第7項に集約されています。そこには、
「1から6までに規定する材さ煮貝の財産の譲渡から生ずる収益に対しては、譲渡者が居住者とされる締約国においてのみ租税を課することができる。」
とあるため、日本居住者(永住者、非永住者)については、株式の譲渡益は居住国である日本でのみ課税されることになります。
したがって、非永住者については、国内法では国外源泉所得となり送金課税が適用される旨の記載があるものの、日米租税条約では国内源泉所得となり送金有無に関わらず日本で課税されることとなるため、留意が必要です。
今回は、外国籍の方が日本で外国株式を売却した場合の取扱いについて記載をしました。この点は該当する方が非常に多い論点となりますので、もしご相談をご希望される方は、お問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。