日本法人の役員が受ける給与に係る外国税額控除

2026.09.11  [Fri]

大阪市都島区に事務所を構える、相続・国際税務を専門とする村田綜合税務会計事務所です。
今回は、役員報酬に対して海外で所得税が課税された場合の、外国税額控除の取扱いについてQ&A方式で紹介します。

1.事例

私は日本法人の役員をしている永住者ですが、昨年7か月間、香港に出張しました。私の給与は日本法人から支払われていましたが、香港で所得税が課税されました。私は日本で外国税額控除を受けることが出来るのでしょうか。

2.回答

日本の確定申告で外国税額控除を受けることが出来ます。

3.理由

① 役員の給与に係る課税

人的役務の提供に対する報酬は、国内において行う勤務に基因するものが国内源泉所得とされますが(所法161①十二)、内国法人の役員として国外において行う人的役務の提供も、国内源泉所得として扱われます(所法161①十二かっこ書)。

② 日香租税条約における人的役務の提供

日香租税条約14条(給与所得)1項では、人的役務の提供について、「一方の締約国(日本)の居住者がその勤務について取得する給料、賃金それらに類する報酬に対しては、勤務が他方の締約国(香港)内において行われない限り、当該一方の締約国(日本)においてのみ租税を課することが出来る。勤務が他方の締約国(香港)内において行われる場合には、当該勤務から生ずる報酬に対しては、当該他方の締約国(香港)において租税を課することができる。」とされており、香港で課税が認められています。

➂ 日本における外国税額控除適用の可否

所得税法95条4項16号及び所得税法施行令225条の13において、租税条約の規定により相手国等において租税を課することができるとされている所得のうち、外国所得税が課されるものについては、国外源泉所得とされています。
したがって、香港で課された給与については国外源泉所得とされ、香港で納付した所得税について、日本で外国税額控除を受けることができます。

 

以上、最近問い合わせを受けることの多い、日本法人の役員が国外勤務をした場合の外国税額控除の扱いについてまとめました。本事例のように、外国税額控除についてご相談等ございます場合は、お問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

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